子供同士を会わせること
まず、長男だけ連れて家を出た俺は、どの方向から考えても間違っていた。
やってしまったことは本当に元には戻らない。
N子はこちらが家を出てからずっと、子供達同士を会わせることを許さなかった。
俺と一緒に家を出ることを選んだ長男も「敵」だ。とか、会ってしまうと「お兄ちゃんお兄ちゃん」と悲しくなってしまうからいなかった事にする。だとか言ってました。お兄ちゃん本人に。
親としては俺には理解不能の論理だ。そもそも口をついて出たことを言っているだけのいつものこと。状況がどうあろうが、相手が実の息子だろうが彼女の行動にはある意味一貫性がある。
彼女とK島の間の当初のメールには、「今バレるのが最悪。娘は小さいから、K島のことを話してしまうだろう。会わせる訳にはいかない」
と書いてあった。
全てバレてしまった今、もう隠せることもないんだから会わせてやって欲しいのだけれど、やはり本当にお兄ちゃんのことは敵と認定してしまったようで、なんだかんだと邪魔をして、当人同士の話はさせて貰えていない。
もちろん、敵一号の俺なんぞ、以ての外だ。
娘の小学校の学校公開週間には行っているが、もう何年か前から、娘は俺が来ることが苦痛そうにも見える。